外界の娘 5
あれは何だろう。
白い……鬼だ。僕のものだった女をさらって行く、鬼だ。
『捕まえた』
それは、これまで彼の発していた声とは打って変わった不吉な音色。
男の狂乱に満ちたこのマンションの一室の空気が、一瞬にして重く不気味な静寂に染め変えられる。
床に打ちつけた肩の痛みに耐えながら、真夕は上を見上げた。
白鬼がいる。
そして目に入ったのはその白い髪の間から伸びた二本の白い角と、剥き出された鋭い犬歯。それは、文字通り白い鬼だった。
ああ、これなら確かに着物の方が似合う、と頭の片隅で真夕は思う。
「下郎の分際で俺の娘に手を出すな」
白鬼はそう言って男の腕を後ろにねじり上げ、真夕の上から引き剥がす。それから、ふと気付いたように眉をひそめた。
「お前、これまでに何人の女を殺した?」
「知らない! なんだおまえは!」
男が喚く。だが身動きが取れず、振り向いて白鬼の姿を見る事が出来ないようだ。
そこに悠然と冴木が戻ってきた。既に髪を結び直している。
「大丈夫かい」
「当たり前だ。これを頼む」
白鬼は男を無造作に冴木の方に突き飛ばし、それから真夕の方に身を屈める。
「真夕」
目の前に差し出された手は大きかった。
「立てるか」
その手に掴まり、なんとか立ち上がる。少し肩が痛んだが、大した事はない。
ドアを開けた時に隣にいてくれなかったとか、もう少しで殺されるかと思ったとか、自分が怖い思いをしたのに楽しそうな顔をしていたとか、心の隅にぱらぱらと散った不満はあったけれど、それでも鬼の姿で立っている白鬼を見ると全てそれらは消えていった。
「白鬼……?」
「この姿が怖いか?」
白鬼が笑う。
恐ろしいのだろうか。自分でも良く判らない。真夕は黙って首をかしげ、それから小さく首を振る。白鬼は白鬼だ。
そんな真夕の肩を抱いて白鬼がゆらりともう一方の腕をあげ、男に指先を向ける。
「これは俺の娘だ。お前のような下衆にはやらん。去ね」
不吉な、それは人間が出すにはあまりにも暗い色を帯びた声。己に向けられれば心が凍ってしまいそうな響き。
けれど胸の奥がざわめく。そう、自分の中にもこの音色は潜んでいる。どこかで、その音色を快く聞き取る意識がある。
本当に自分はこの人の娘なのだろう。今はもう人間と変わらないけれど、体の奥深くで脈打つのは母から娘へと受け継がれた鬼の血なのだ。
肩を抱いたその腕は真夕を守るためにある。傷つけるためのものではない。おそらく、男が素手でなくナイフか何か持っていたならば今もっと別の光景が広がっていただろう。ここにいるのは鬼なのだから。
「鬼……」
急におとなしくなった男が魅入られた様に白鬼を見つめ、呆けた様に呟いた。
その顔をしばらく見ていて真夕は思い出した。どこかで見た事があると思ったら、一度会った事がある相手なのだ。
あれは去年の春か夏頃だったろうか、聡美やその恋人の島本の交遊関係を中心に何人かで一度食事をした事があった。けれどこの男とは話もしていないし、向こうも真夕に興味は示さなかった筈だ。それに、あの日真夕は翌日用があったので、食事をした後二次会に流れずにそのまま帰った。
ひょっとして、あの時いた真夕の知らない女性の中に聡美の同僚もいたのだろうか。名前も判らないけれど、三か月程前から行方不明だという聡美の同僚も? そんなまさか。
「家まで案内してもらいましょうか。後の始末は私がしますからご心配なく」
邪気のない笑顔を振りまいて、冴木が軽々と男を玄関の外に引っ張り出した。
「殺しはしませんよ。余罪があるようですから、きちんと人間の中で裁いてもらいましょう」
穏やかな中に冷やかな侮蔑を込めた冴木の声を最後に、ドアは閉じられた。
再び、そこには真夕と白鬼の二人だけが残る。
両隣の住人が起きてくる気配はない。真夕が悲鳴を上げた訳でもないし、昼間や夜のまだ人が起きている時間ならまだしも、現実というのはこんなものだろう。もしも真夕があの男に誘拐されたり殺されたりしても、しばらくは案外誰も気付かなかったりするのかもしれない。
「真夕?」
ぼうっと考えていると名を呼ばれた。
「あ……はい」
見上げると、元通り色素はともかく人間の形に戻った白鬼の顔があった。
「怪我はないか」
「はい」
あったとしてもせいぜい肩に軽い打ち身くらいのものだろう。
「あとは、あいつが全て片付ける。今の時代の然るべき所に連れて行くか、一人で行かせるかするだろうし、もうお前に手出しはしないだろう」
本当にこれで終わりだろうか。けれど、この後何かあるとしても今だけはそう思っていよう。
「ありがとうございます。冴木さんが戻るまで少し休んでください」
真夕は頭の片隅に引っかかった疑念を振り払い、彼に笑いかけた。
「お前も休め」
「私は、廊下を掃除してからにします」
何しろ土足で上がり込まれたのだ、今すぐ雑巾掛けでもしなければ放っておくのは気持ちが悪い。部屋の入口辺りの絨毯の方はほんの少しだろうが、雑巾を固く絞って叩く位で我慢しよう。
この件で警察が来て現場検証などは……あったとしても知るものか。
しばらく前まで真夕がくるまっていた毛布を掛けて、クッションの一つを枕にごろりと横になった白鬼を見ながら、真夕は先程の事が嘘のような不思議な思いを味わっていた。
冴木が戻って来たのは七時過ぎだった。
一時間ほど仮眠した白鬼は御飯と味噌汁と厚焼き卵に有り合わせの冷凍食品という簡単な朝食を機嫌良く食べていた。
真夕はいつもはもっと簡単にトーストとコーヒーに、その日によって卵やソーセージがつくような朝食だったがさすがにそれは気が引けたので掃除の後に支度を始めたのだった。
たいしたものは出せないけれどと断って冴木にも勧めると、冴木は笑顔で礼を言った。
そしてテーブルについたところでおもむろに始める。
「真夕さん、あの男と一度会っていますか?」
「会ったというか、見た事はあるというか……顔は覚えていますけど、名前まではちょっと」
「そうでしょうね。あの男にいくつかの証拠品を持たせて警察に行かせましたから、そのうちここにも警察が来るかもしれません。通話記録などが出れば今マークされていたのが真夕さんであることは判りますし、真夕さんが警察に相談したことも合わせて事情は聞きに来るでしょう」
「はい」
「でもあなたの事は公にはなりませんよ。あなたの前に女性を二人殺していますから、そちらの方が大きく取り上げられるだろうし、警察もあなたの名前は出さない筈です。一人はまだ見つかっていませんが、一人は去年遺体が発見されて犯人が見つかっていない事件です。後でDNAが一致するでしょうね」
男のDNAがどこに残っていたのかはあまり知りたくなかったし、涼しい顔で味噌汁を啜る冴木や、初めて見るのか割箸を観察している白鬼の様子を見ていると遠い所の話のようにも思える。
「番号を変える前の電話番号を知っていたのは、真夕さんのお友達経由のようです。と言っても電話を掛ける彼女の手元を盗み見た結果で彼女が意図的に漏らした訳ではありませんから、責めるのは気の毒ですが」
以前何度か、数人で遊んでいるから出て来ないかと聡美から電話が掛かってきた事はある。平日なら携帯に掛かってくるが、休日ならば聡美は自宅の固定電話に掛けてきた。無言電話以来もっぱら携帯電話だけになっていたが。そうなると聡美が恋人である島本抜きで休日に他の男性を交えて出掛ける筈がないから、島本の知人という可能性が高い。
真夕が溜息をつくと、慰めるように冴木は言った。
「お友達と気まずくならないといいですね」
食べ終わると冴木は真夕に訊ねた。
「今日は仕事はどうしますか?」
急いで今すぐ支度をすればまだ間に合う時間だが、多分そんな場合ではないだろう。
「今日は休みます」
「それがいいかもしれませんね。ここに警察が来るとしてもすぐには来ないでしょうから、少し眠った方がいいですよ」
それから冴木は立ち上がり、ゆっくりと食後の茶を啜っていた白鬼に声を掛けた。
「私はもう少し様子を見て後始末をしてから帰るけど、白鬼はどうする?」
「俺は真理江と雪江の顔を見てから帰る」
頷いて、それから冴木は真夕に向き直った。とても鬼には見えない穏やかな微笑がその口元に浮かぶ。
「御馳走様でした。私はもう少し用を済ませて帰ります。全てが明らかになれば後で少し騒がしくなるかもしれませんが、危険はないので心配いりません。もしも何か困った事があったら同じ方法で呼び出してくれればすぐに駆けつけますから、忘れないでくださいね」
彼はもうこのままここには戻らないし、再び何か起こらない限り連絡を取ってくる事もないのだと真夕は思った。そしてその微笑みにどぎまぎしながら頭を下げる。
「色々と、本当にありがとうございました」
「あなたは大切な人ですから当然です。お元気で暮らしてくださいね」
時折違う面が見え隠れはしたが、やはり冴木はどこまでも紳士だった。
そして冴木が出て行くと白鬼が席を立ち、革のジャンパーに袖を通した。
「さて、俺も行くか。飯美味かったぞ」
母の元へ。真夕は実家までの行き方を説明しようとしたが白鬼はあっさりと「判るからいい」と言ってのけた。大丈夫だろうか。
「真夕」
改めて白鬼が真夕の前に立つ。
「はい。白鬼もありがとうございました」
白い鬼の着物姿を拝めなかったのは残念だけれど。真夕はそう考えて笑った。
白鬼はそんな真夕の髪を優しく撫で、その手を彼女の頬に滑らせた。
「また何か困った事があったら呼べ、俺は何処であろうと行くから。出来れば母も一緒にいろ、でなければお前の娘と」
白鬼は真夕に笑い掛け、手を離すとテーブルの上にあったサングラスをとって掛けた。真紅の瞳はもう見えない。
そして玄関のドアを開ける。
一瞬そのドアの向こうに見えた景色がいつもと違ったような気がして、真夕は後を追うようにして閉じたドアを開き、外に出た。
エレベーターまでは少し距離があるが、白鬼の姿はなかった。
ゆっくりと歩いていく冴木の姿は見える。
「冴木さん!」
声を掛けると、彼は振り返って微笑んだ。
「白鬼なら、もうここにはいませんよ」
茫然とする彼女に冴木は笑って手を振り、エレベーターの方へと角を曲がって行った。
真夕はしばらくそこに立ち尽くし、それからはっとして中に戻ると実家に電話を掛けた。この時間ならばまだ家にいるだろう。
思った通り、母は丁度家を出る所だった。
出ようと鍵を開けたところで電話が鳴ったので、仕方なく戻ってきたようだ。真夕からの電話である可能性が高い今でなければ、無視して家を出ていたかもしれない。
「真夕? おはよう、あれからどうしたの?」
「一応もう危険はない、かな。後でちょっとゴタゴタするかもしれないけど。今日ママ仕事よね?」
「そうよ、今出るところだったんだもの」
「あのね、白鬼がママのとこに行くかも。というか、もう向かった」
「本当に!? 冴木さんも?」
「ううん、冴木さんはまだ事後処理があるって言ってたから、白鬼だけ。あとおばあちゃんの家も知りたいって。今出て行ったから、そっちに着いたら昼前かな? 夜は宅配ピザだったし朝も適当だったからお昼美味しく作ってあげて」
「大変、会社休まなきゃ。真夕、白鬼ってどんな人? 真夕の後にママの事見たらおばさんでがっかりされるんじゃないかしら」
「さあ……」
なるほど、母の気掛かりはそちらか。確かに冴木も白鬼も外見は若かった。
電話の向こうでチャイムが鳴った。
「誰か来たね」
真夕にも聞こえたのでそう言ったが、母はそれどころではなく、チャイムを無視する気でいるようだ。
「それより、どんな感じの人なの? 会えばすぐ判る?」
「それは、一目でわかると思う」
それが母の思い描いている白鬼かどうかは別として。
真夕はそう考えて笑った。冴木のような男を想像していたとしたら随分驚くだろう。
「パパっていうより柄の悪いお兄さんて感じかな?」
実年齢が何歳かどうかは別として、やはり父というよりは兄に近いかな、と真夕は考える。さしずめ母から見れば息子のようなものか。
「……」
電話の向こうで母が沈黙した。
少し想像しにくいかと思った真夕が詳細に説明しようかと思った時。
「不用心だな、女の一人暮らしならもっと気を付けろ」
一晩で耳慣れた声と口調が電話を通して小さく聞こえ、真夕は目を瞠る。
「嘘でしょ」
思わず口をついて出る言葉。
白鬼は今出て行ったのだ。実家までは電車と特急を乗り継いでトータルで三時間以上は掛かる。途中で新幹線を使っても二時間では行けない。白鬼が今、そこにいられる筈がない。
けれど、彼はそこにいる。
「お前が真理江か? 上がっていいか」
黙ったままの母に頓着しないその声に真夕は確信する。間違いなく白鬼だ。
「お父様……?」
やっとのことで母が言葉を絞り出す。
母が元夫で真夕の父をさす言葉は「あんたのパパ」で、母の父、つまり亡くなった真夕の祖父をさす言葉は「パパ」だった。母がお父様と呼ぶ者はいない──少なくとも、人間の中には。
「電話の相手は真夕か? ちょっと貸せ」
白鬼の声が鮮明になった。
「真夕か? 真理江には無事会えたから心配しなくてもいいぞ。では、元気でな」
笑みを含んだ彼の言葉に真夕がはいと答えると、電話は切れた。
彼らはどうやら場所さえ特定出来れば思いのままに移動する術を持っているらしい。神出鬼没とはよくぞ言ったものだ。
「あ、そうか」
真夕は呟く。だから、ストーカーに気付かれずに彼らはこの部屋に入ることが出来たのか。それならば管理人に鍵を借りる必要もないだろう。
真夕は欠伸を一つして、パジャマに着替えはしなかったが冴木の助言に従って少し休むことにした。職場の始業時間までにはまだかなり時間があるが、出社している者は一人二人いる筈だ。電話をして有休を取る旨伝えて少し眠ろう。
真夕は一度フックに指を置き、それから職場のナンバーを押した。
鬼が……いたんだ。
僕の恋人を奪って行った。
人間の僕に何が出来るって言うんだ。彼女は鬼にその身を売った。
鬼が僕に言ったんだよ。彼女の前に捨てた女の事を全部ここに来て話せば僕を助けてくれるって。
僕にはもっとおとなしくて、僕に相応しい恋人が待っている筈なんだ。だから鬼が僕のところに代わりの恋人を運んで来る。僕の恋人を奪ったんだから当然だ。
捨てた女? あの女も僕を裏切ったんだ。
だから山の中に捨てた。だってもう顔も見たくなかったんだ。
あなただって僕の立場になれば分かるはずだよ。どうして女ってやつはみんなそうなんだろう。僕を裏切って他の男に身を投げ出すんだ。
僕の顔を見て僕なんか知らないと言う。近付かないで、許して、殺さないで……それが恋人に向ける言葉なのかな。
黙ってくれよ。口を塞いで、いつも電話で彼女とするように、僕らは愛しあう。それなのに、いつもは従順な女が僕を汚らわしいものでも見るような目で見るんだ。
だから見えないように隠してしまおう。そこにあった布団や枕で女の顔を押さえつけると、もう彼女たちは抵抗をやめて僕に全て委ねてくる。
僕の素晴らしさに今頃気付いても遅いんだよ。そして僕は最後に彼女を抱いてやったあと、山の冷たい穴の中に捨ててきた。
何人捨てたか? 捨てたのは二人だよ。一人はすぐに見つかって色々騒ぎが起きたから、二人目はもうちょっと厳重に隠したんだ。だって、もう顔も見たくないしそれについての話題も聞きたくないんだから。それに三人目は、鬼に取られちゃったからね。泣いて許しを請う姿を見て終わりにしたかったけど、でももう顔を見ないですむから構わない。みんな僕の愛を踏みにじる最低の女ばかりだった。
これで全部話したよ、刑事さん。僕の新しい本当の恋人を、もうそろそろ鬼が運んできた?
風が吹いた。
ここはどこだろうか、小さな農村を見下ろす山の中腹に、木々に囲まれて古い日本家屋が建っている。
白い着物に黒と灰色の帯を締めた白髪の鬼が、春の近付いた庭に立って腕を組むと外の景色を見つめていた。
それを見かけた黒髪の鬼が庭に下り、ゆっくりと歩み寄ると隣に並ぶ。
この、白と黒の見た目は対照的な鬼は、現在の鬼どもの要でもある。
長らく白鬼の不在を守り続けた鬼は、無言だった。
白鬼の血色の瞳は久方ぶりに出会い、これから彼が生きるこの国の変容を見通してその年月を己の中に刻みつけようとするかのごとく、真っ直ぐで曇りがなかった。
彼の方を見ることなく、静かに白鬼が口を開く。
「すまなかったな。俺の代わりに娘達を世話してもらって」
それは今回の件についてではなく、白鬼がいなかった間の事だろう。
「構わないよ。誰の子だろうと鬼の子は全て鬼が守る。父が不在ならば、その鬼に一番近い鬼が守るまで。そうだろう?」
微笑んで答える彼に白鬼は頷く。二人の立場が仮に逆だったとしたら、やはり白鬼は彼の子を守ってくれただろう。彼らは他の誰よりも近しい兄弟なのだから。
もっとも、実際は彼に人間との間の娘はなかったが。
白鬼が視線を彼に向けた。
「……で、冴木というのは何なんだ?」
何を突然、しかも今更に。
彼は笑う。
「最近は外ではこの名を使っているんだ。宰鬼より冴木の方が人間には馴染みやすいからね」
「そうか」
真夕や真理江が己の子ならば宰鬼でも良かったが、そうではなく白鬼の子であるため
白鬼も宰鬼も真の名ではないが、余計な知識など必要ないだろう。
ただ、彼女たちが外界で力強く、幸せに生きてくれさえすればそれで良いのだ。
彼女達は鬼ではないのだから。
人である、彼らの守るべき愛しい子供達。
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クールで温和な知性派にしたかった黒い人、結局微妙な感じに……。
っていうか、二作目で化けの皮はがれてどうすんの?
ちなみにストーカーに対してしてはいけない事をここでは色々やっているので参考にしてはいけません(電話番号変えるとか、異性の助けを呼ぶとか)。
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